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シングルマザーの借金400万円|個人再生で子どもの未来を守った選択

「このままでは、この子に何も残してあげられない…」

3年前の私は、400万円の借金と、たった一つの大切な宝物である息子の寝顔を見ながら、毎晩涙をこらえていました。離婚で背負った借金、減らないリボ払い、そして手放したくない持ち家。シングルマザーという現実が重くのしかかり、出口のないトンネルにいるようでした。

でも、そんな私が勇気を振り絞って選んだ「個人再生」という道が、息子の未来と私たちの家を守るための、たった一つの光になったんです。

この記事では、かつての私と同じように、借金に苦しむあなたへ、私の実体験のすべてをお話しします。大丈夫、あなたは一人じゃありません。

目次

借金400万円…シングルマザーを襲った絶望と孤独

気づけば膨らんだ借金、その原因は「私だけ」の問題?

離婚で元夫の借金の一部を背負い、さらにアパレル店長としての収入が減る中で、日々の生活費を補うために使い始めたクレジットカード。気づけばリボ払いの残高は雪だるま式に膨らんでいました。

「私がもっとしっかりしていれば…」と毎日自分を責めましたが、今ならわかります。これは決して「私だけ」の問題ではなかったんです。実は、シングルマザーが経済的に苦しくなりやすいのには、社会的な背景もあるんですよね。

1. 養育費がきちんと支払われない現実

厚生労働省の調査によると、離婚した母子世帯のうち、養育費を継続して受け取れているのは3割にも満たないそうです。私もその一人でした。

2. 働き方の壁

子育てとの両立のために、正社員ではなくパートや契約社員など、不安定な働き方を選ばざるを得ないケースが多いこと。

3. 頼れる人がいない孤独

実家が遠かったり、周りに同じような境遇の友人がいなかったりすると、一人で全部抱え込んでしまいがちです。

あなたも、自分一人のせいだと抱え込んでいませんか?でも、決してそんなことはないんです。

「家だけは手放したくない」子どものための最後の砦

息子が壁に描いたクレヨンの落書き。それは、この家が私たち親子のかけがえのない思い出でできている証です。借金の返済が苦しくなったとき、一番に頭をよぎったのは「この家を失うかもしれない」という恐怖でした。

友達と遊んだ公園が見える子ども部屋、一緒に背比べをした柱の傷…。これらを失うことは、息子の世界を根底から揺るがしてしまうように感じたのです。「家だけは絶対に手放したくない」という想いが、私にとっての最後の砦でした。

眠れない夜と、鳴りやまない催促の電話

返済が滞り始めると、日常は一変しました。郵便受けを開けるのが怖い。知らない番号からの電話が鳴るたびに、心臓が跳ね上がる。日中は子どもの前で必死に笑顔を作り、夜、息子が寝静まると言いようのない孤独と不安に押しつぶされそうになるんです。

あの頃の私は、この張り裂けそうな気持ちをどうしたらいいのか、そればかり考えていました。

私が選んだ「個人再生」という選択肢

自己破産じゃない、家を残すための決断

藁にもすがる思いで弁護士事務所の無料相談へ行くと、いくつかの選択肢が示されました。ここで一度、主な債務整理の方法を簡単に比較してみますね。

整理方法メリットデメリットこんな人向け
任意整理裁判所を通さず手続きが比較的簡単借金の減額幅は小さい借金が比較的少額で、将来の利息カットで返済できる人
自己破産全ての借金の支払いが免除される家や車などの財産は原則手放す収入がなく返済が不可能で、人生をリセットしたい人
個人再生家を残したまま、借金を大幅に減額できる手続きが複雑で、安定収入が必要持ち家を守り、借金を整理して再出発したい人

任意整理では、私の借金総額だと減額幅が小さく、返済を続けるのは困難でした。そして自己破産では、一番守りたかった家を手放さなければならない。

だからこそ、私に残された道は「個人再生」でした。「この方法なら、家を残せるかもしれません」という弁護士さんの言葉が、暗闇の中に差し込んだ一筋の光でした。

債務整理手法比較

個人再生って、簡単に言うとどういうこと?

専門用語が出てくると、少し難しく感じてしまいますよね。私もそうでした。

弁護士さんは、私にこう説明してくれました。

「個人再生は、例えるなら家計の集中治療室に入るようなものです。借金という大きな病気を治すために、専門家であるお医者さん(弁護士)と一緒に、手術(借金の大幅カット)をして、健康な状態に戻すためのリハビリ計画(原則3年間の返済計画)を立て直すことなんですよ」

ただ借金を減らすだけでなく、自分の家計と向き合い、立て直していくための前向きな手続きなんだと理解できました。

個人再生のリアルな道のり|相談から手続き完了まで

勇気を出して叩いた、法律事務所のドア

初めて弁護士事務所に電話をかけた日の手の震えは、今でも忘れられません。「こんな借金まみれの私が…」と恥ずかしさでいっぱいでした。でも、担当の女性弁護士さんは「大変でしたね。でも、大丈夫。解決する方法はありますから、一緒に頑張りましょう」と言ってくれました。

もし相談をためらっているなら、どうか一歩を踏み出してほしいです。私が相談時に準備したのは、こんなものでした。

  • 借入先や借金額がわかるもの(督促状、利用明細など)
  • 収入がわかるもの(給与明細、源泉徴収票など)
  • 財産に関するもの(通帳、保険証券、車検証など)
  • 認印と身分証明書

完璧に揃っていなくても大丈夫。「まずは手元にあるものだけで」と優しく言ってもらえましたよ。

個人再生手続きの流れ

書類の山との格闘!家計簿が教えてくれたこと

手続きで一番大変だったのが、書類集めと並行して行う家計簿の作成でした。でも、この作業があったからこそ、自分の現実と向き合うことができたんです。

家計簿をつけてみると、自分でも気づかなかったお金の使い方がハッキリと見えてきました。例えば、「大したことない」と思っていたコンビニでの買い物や、仕事帰りに買う自販機のジュース代。それが月単位で見ると、驚くような金額になっていました。

節約というと食費ばかりに目が行きがちですが、本当に見直すべきは、収入に対して高すぎたスマホ代や保険料といった固定費だったことにも気づかされました。

この家計簿作りを通して、見栄や贅沢ではなく、私と息子が「生きるために最低限必要なコスト」がいくらなのかを初めて知ることができたんです。この辛いけれど大切な作業が、結果的に無理のない返済計画を立てるための、何より重要な土台になってくれました。

子どもにどう伝えた?「お引越しはしないよ」という約束

手続き中、敏感な息子は私の不安を察していたのかもしれません。その時、私は息子の目を見て、正直に、でも分かりやすく伝えました。

「ママね、今、お金のお勉強をすごく頑張っているんだ。ちょっと大変だけど、〇〇(息子の名前)とのこのおうちが大好きだから。だからね、お引越しは絶対にしないし、ずっとここで一緒に暮らせるから安心してね」

と。

もちろん、子どもの年齢によって伝え方は変わってくると思います。息子はまだ小さかったので、具体的なお金の話は避け、「ママ頑張るからね」「ずっとこのおうちに住めるよ」と、とにかく安心感を与えることを一番に考えました。

もしお子さんがもう少し大きくて、小学校高学年や中学生くらいだったら、もう少し具体的に「お家の事情で少し節約を頑張らないといけないんだ。協力してくれる?」と、一人の仲間として頼ってみるのも良い方法かもしれません。

どんな年齢であっても、一番大切なのは、子どもを不安にさせないこと、そして嘘をつかないことだと私は思います。

個人再生後の生活はどう変わった?

借金からの解放と、取り戻した心の平穏

再生計画の認可が下りた日、本当の意味で肩の荷が下りました。あれほど私を苦しめた催促の電話や督促状は、弁護士さんに依頼した時点ですぐに止まり、夜ぐっすり眠れるようになったんです。

お金では決して買えない「心の平穏」を取り戻せたことが、何よりの変化でした。

私の「やりくり術」|無理なく続ける返済と貯金のコツ

返済は続いていましたが、気持ちが前向きになると、やりくりも楽しくなりました。

現金+デビットカード生活

クレジットカードが使えない代わりに、銀行口座から即時引き落としされるデビットカードをフル活用。使いすぎの心配がなく、ポイントも貯まるので一石二鳥でした。

徹底した固定費の見直し

スマホを格安SIMにし、不要な保険を解約。これだけで毎月1万円以上の節約になりました。

親子で楽しむ「週1まとめ買い&作り置き」

週末に息子と「今週は何作る?」と相談しながら買い物をし、常備菜を作る。ゲーム感覚で楽しみながら食費を抑えられました。

スキマ時間で副業

趣味だったハンドメイドアクセサリーをフリマアプリで販売。月5,000円でも、自分で稼いだお金は大きな自信になりました。

経験を力に。新しい私としての再出発

借金で苦しんだ経験は、私に「お金と真剣に向き合う力」と「人の痛みがわかる心」を与えてくれました。今では、この経験を伝えるライターとしても活動を始めています。

苦しかった経験が、誰かの役に立てる力になるなんて、当時は想像もできませんでした。

よくある質問(FAQ)

Q: 個人再生をすると、子どもの進学(奨学金など)に影響はありますか?

A: 私も一番心配でした。結論から言うと、直接的な影響はありません。ただ、親は連帯保証人にはなれないので、保証機関を利用する「機関保証制度」を使うことになります。

保証料はかかりますが(借りる金額にもよりますが年間数万円程度)、それで進学の道が閉ざされることはないので安心してくださいね。

Q: 会社やご近所に知られてしまうことはありませんか?

A: 手続きをすると「官報」という国の新聞のようなものに名前が載りますが、一般の人がこれを見ることはまずありません。私も会社やご近所に知られることなく手続きを終えることができました。自分から話さない限り知られる可能性は極めて低いです。

Q: 手続きを依頼する弁護士費用が払えるか心配です…

A: よく分かります。でも、多くの法律事務所では、費用の分割払いや、法テラスの利用に対応しています。私も分割でお願いしました。まずは無料相談で、費用のことも含めて正直に話してみることが大切ですよ。

Q: 持ち家は本当に手放さなくて済むのでしょうか?

A: 「住宅ローン特則」を使えば、家を守れる可能性は高いです。ただし、誰でも使えるわけではありません。例えば、住宅ローン以外の借金で、家に抵当権が設定されている場合などは利用が難しいことも。だからこそ、自分の場合はどうなのか、専門家である弁護士さんに確認することが絶対に必要です。

Q: 個人再生後、クレジットカードはもう作れませんか?

A: 手続き後5年~10年程度は、新しいカード作成やローンは難しくなります。でも、これを機に現金やデビットカードでやりくりする良い習慣が身につきました。今では、かえって良かったと思っています。

まとめ

かつて400万円の借金に押しつぶされそうだった私が、今、こうして自分の経験をお話しできているのは、あの日「子どもの未来のために」と勇気を出して一歩を踏み出したからです。

個人再生は、人生の終わりではありません。むしろ、家計と自分自身を見つめ直し、大切なものを守りながら再出発するための「新しい始まり」です。

もしあなたが今、暗いトンネルの中にいると感じていても、必ず光は見えてきます。最後に、今日からできるアクションステップをまとめておきますね。

  1. 自分の状況を書き出す
    →誰にいくら借金があるのか、収入と支出はいくらか。まずは現実を知ることから。
  2. 無料相談を探す
    →「お住まいの地域 弁護士 無料相談 債務整理」などで検索し、予約の電話を一本入れてみる。
  3. この記事をブックマークする
    →不安になったらいつでも読みに来てください。あなたは一人じゃない、ということを忘れないで。

この記事が、あなたのその一歩を後押しできたら、これほど嬉しいことはありません。

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この記事を書いた人

シングルマザーのフリーランスライター。大手アパレル勤務から離婚を機に借金問題に直面し、個人再生で債務整理を経験。住宅を残しながら生活再建に成功した実体験をもとに、子育て世帯の家計管理や金銭教育に関する記事を執筆している。

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