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【起業失敗→自己破産】25歳で2,000万円の借金を背負った元起業家が語る「人生リセット」の真実

「2,000万円の借金と、銀行口座に残る1,243円」

これが25歳の僕の全財産でした。起業の夢は潰え、友人からの信頼も失い、毎日のように届く督促状に怯える日々。そんな絶望の淵から這い上がるために僕が選んだのが「自己破産」という道でした。

結論から言うと、自己破産は僕に「人生のリセットボタン」を与えてくれました。もちろん簡単な道ではありませんでしたが、今の僕があるのは、この決断があったからです。

今回は、僕自身が経験した自己破産のリアルと、免責決定後に人生をどうピボットさせたのか、その具体的な変化と戦略を包み隠さずお伝えします。同じ苦しみを抱えているあなたの、再スタートのきっかけになれば幸いです。

目次

【結論】自己破産は人生の終わりじゃない!実際、こう変わった

精神的な変化:督促の恐怖からの解放と「ゼロ」の自由

自己破産して一番変わったのは、「精神的な余裕」です。

弁護士さんに依頼して受任通知が債権者に送られた瞬間から、ピタッと督促の電話や手紙が止まるんです。あれだけ鳴り響いていたスマホが静かになった時、「あ、もう怯えなくていいんだ」って、涙が出そうなくらいホッとしたのを今でも覚えています。

借金という巨大なマイナスが「ゼロ」になることで、初めて精神的にフラットな状態になれた。これは本当に大きな変化でした。「もう失うものはない」って、ある意味、最強のメンタリティを手に入れた感覚です。ここからなら、あとは登るだけだよねって。

経済的な変化:給料が全額自分のものになる感動

自己破産の手続きが始まると、それ以降に稼いだ給料は差し押さえの対象外になります。

それまでは、稼いでも稼いでも右から左へ返済に消えていくだけだったお金が、初めて「全額自分のもの」になる。この感動は、経験した人にしか分からないかもしれません。

生活費を払い、少しだけ好きなものを買い、そして将来のために貯金する。当たり前のことが、こんなに尊いことなんだと痛感しました。ここからが、本当の意味での経済的な再スタートでした。

自己破産による人生変化

免責決定後に「できること」「できなくなること」完全リスト【元当事者が解説】

自己破産って、なんだか怖いイメージがありますよね。僕もそうでした。でも、誤解されていることも結構多いんです。

意外と多い「できること」:選挙権もなくならないし、海外旅行も行ける

まず、よくある誤解から解いていきましょう。自己破産しても、以下のことは普通にできます。

  • 選挙権を失うことはない
  • 年金の受給権もなくならない
  • 戸籍や住民票に記載されることはない
  • 家賃を滞納していなければ、同じアパートに住み続けられる
  • 家族の財産に影響はない(家族が保証人になっていなければ)
  • 結婚も自由にできる

そして、破産手続きが終われば、海外旅行も自由に行けます。僕も免責が決まった翌年、格安航空券で東南アジアを旅して、頭をリフレッシュさせました。

一定期間「できなくなること」とその対策【5〜7年の辛抱】

もちろん、デメリットもあります。最大のものが、信用情報機関(CIC、JICC、KSC)に事故情報が登録されること。これによって、約5年〜7年間は基本的に以下のことができなくなります。

  • クレジットカードの新規作成
  • 住宅や車のローン契約
  • スマホ端末の分割払い

正直、キャッシュレス時代にクレカなしは不便です。でも、対策はあります。僕が実際にやっているのは「デビットカード」と「家計簿アプリ」の活用です。

デビットカードなら、銀行口座から即時引き落としなので審査なしで作れます。使いすぎも防げるし、ポイントが貯まるものも多い。これと「マネーフォワード ME」みたいな家計簿アプリを連携させれば、お金の流れはリアルタイムで完璧に把握できます。デジタルネイティブ世代なら、むしろこの方がスマートな家計管理だったりします。

【要注意】保証人には迷惑がかかる!正直に話す勇気

自己破産で絶対に忘れてはいけないのが、保証人の存在です。免責されるのは、あくまで僕自身の借金だけ。保証人になってくれた人の返済義務はなくなりません。

僕の場合、起業時に個人保証してくれた友人がいました。彼にこの事実を伝えるのは、人生で一番辛い瞬間でした。土下座して、自分の不甲斐なさを謝り、今後の返済について一緒に頭を下げる。本当に情けなかったし、申し訳なかった。

でも、ここで逃げずに正直に話す勇気が、唯一の誠意だと思います。もし保証人がいるなら、弁護士さんと相談しながら、必ず誠実に対応してください。

免責決定後の生活で変わること

【体験談】免責決定から1年間のリアルな生活再建ロードマップ

免責が決まってから、僕は自分なりのロードマップを立てて行動しました。

Step1:家計の完全デジタル化と「見える化」

まずやったのは、家計の完全な「見える化」です。具体的には、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を導入し、給与が振り込まれる口座とデビットカードを連携。食費から交通費まで、すべての支出が自動で記録されるようにしました。

「今月、あといくら使えるか」がデータで一目瞭然になる。この感覚が、お金に対するコントロール感を取り戻させてくれました。これが再建のすべての土台です。

Step2:「信用情報開示」で自分の現在地を知る

免責から1年が経った頃、僕は信用情報機関(CIC, JICC, KSC)の3つすべてに情報開示請求をしました。ネットで簡単に申し込めて、手数料は合計で3,000円くらいだったかな。

自分の情報が「異動」(事故情報のこと)と登録されているのを見たときは少しヘコみましたが、同時に「あと4〜6年でこの記録は消えるんだ」という明確なゴールが見えました。現在地を知ることで、漠然とした不安が具体的な目標に変わったんです。

関連: 情報開示とは|指定信用情報機関のCIC

Step3:少額から始める「副業」とキャリアの再構築

Webマーケターとして再就職して生活の基盤を固めつつ、僕はブログとSNSでの発信を始めました。テーマは、もちろん「起業の失敗と自己破産」。

最初は怖かったけど、自分の恥ずかしい経験をコンテンツとして発信してみた結果、予想以上の反響があったんです。「同じ経験をした」「勇気をもらった」という声が届くようになりました。

このブログが今では副業収入になり、新しい人との繋がりも生んでくれています。まさに「失敗は資産になる」と実感した瞬間でした。

自己破産後のキャリア戦略|失敗を武器に変える就職活動

就職活動に影響はある?

結論から言うと、ほとんどの業種では影響ありません。

自己破産したことを履歴書に書く義務はないし、一般企業が官報をチェックすることもまずないからです。僕自身、今の会社に就職する際に自己破産のことを話していませんが、何の問題もありませんでした。

ただし、金融機関や警備会社、一部の士業など、法律で資格制限があったり、官報を確認したりする可能性のある業種は注意が必要です。

面接で「起業の失敗」をどう語ったか

僕の場合は、自己破産の事実ではなく「起業に失敗した経験」を武器にしました。面接で「前職はなぜ辞められたのですか?」と聞かれた時の、僕のトークスクリプトはこんな感じです。

「はい、前職では友人と共にフィンテック系のスタートアップを立ち上げました。資金調達からプロダクト開発、マーケティングまで一通り経験しましたが、残念ながら事業は軌道に乗らず、会社を清算するという苦い経験をしました。
この失敗から学んだことは2つあります。1つは、データに基づかない希望的観測がいかに危険かということ。もう1つは、撤退ラインを明確に決めておく重要性です。この経験で得た、数字への執着心とリスク管理能力は、必ず御社の事業にも貢献できると考えております。」

失敗の事実だけでなく、「失敗から何を学び、それをどう活かせるか」をロジカルに語る。これができれば、失敗談は最強の自己PRになります。

よくある質問(FAQ)

Q: 官報に載ると、周りの人にバレますか?

A: 結論から言うと、一般の人が官報を日常的に見ることはまずありません。僕自身、官報が原因で誰かにバレた経験は一度もありません。金融機関や役所の特定の担当者など、見る人はごく一部に限られています。

Q: 家族にどんな影響がありますか?

A: 破産したのはあくまで僕個人なので、保証人になっていない限り、家族の財産が処分されたり、家族の信用情報に傷がついたりすることはありません。ただし、僕名義の家や車は処分対象になりましたし、僕が契約者の家族カードは使えなくなりました。事前に正直に話して理解を得ることが何より大切です。

Q: 賃貸マンションから追い出されますか?

A: 家賃を滞納していなければ、自己破産したことだけを理由に追い出されることは法律上ありません。僕も免責後、同じアパートに住み続けられました。ただし、保証会社が信販系(クレジットカード会社系)の場合、更新時の審査で問題になる可能性はゼロではないので注意が必要です。

Q: 携帯電話の契約はどうなりますか?

A: 通信料金の滞納がなければ、契約を継続できます。ただし、端末代金の分割払いはローン契約にあたるため、審査に通らなくなります。新しいスマホが欲しい場合は、一括払いで購入するか、中古のSIMフリー端末などを活用するのがおすすめです。

Q: もう一度、自己破産できますか?

A: 可能です。ただし、前回の免責許可決定の確定日から7年間は、原則として再度免責を受けることはできません。自己破産はあくまで最終手段。同じ失敗を繰り返さないための生活改善が何より重要です。

まとめ

自己破産は、決して人生の終わりではありません。むしろ、借金という重荷を下ろし、ゼロから新しい人生を設計するための「戦略的リセット」です。

確かに、クレジットカードが作れないなど不便な点はあります。しかし、それ以上に、督促に怯えることのない精神的な平穏と、自分のためだけにお金と時間を使える自由が手に入ります。

僕はこの経験を通じて、お金との向き合い方、キャリアの作り方、そして失敗から学ぶことの価値を叩き込まれました。

もしあなたが今、借金で未来が見えないと感じているなら、どうか一人で抱え込まないでください。まずは法テラスや自治体の無料相談、初回相談無料の弁護士事務所などにアクセスしてみてください。

この記事が、あなたの人生を再スタートさせるための一歩となれば、これほど嬉しいことはありません。

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この記事を書いた人

IT系スタートアップ起業失敗から自己破産を経験した28歳ブロガー。大手IT企業エンジニア出身で、現在はWebマーケターとして再起。同じ境遇の人々に向けて包み隠さない失敗談と具体的な債務整理情報を発信し、再チャレンジを応援している。

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