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自己破産のメリット・デメリット21選|債務者が知っておくべき全真実

「2,000万円の借金と、銀行口座に残る1,243円」

これが25歳の僕の全財産でした。起業の夢は潰え、友人からの信頼も失い、毎日のように届く督促状に怯える日々。そんな絶望の淵から這い上がるために僕が選んだのが「自己破産」です。

結論から言うと、自己破産は僕に「人生のリセットボタン」を押すチャンスをくれました。もちろん、失うものも大きかった。でも、今の僕があるのは、この決断があったからです。

今回は、僕自身が経験した自己破産のリアルなメリット・デメリットを、スタートアップの失敗談も交えながら包み隠さずお伝えします。同じ苦しみを抱えているあなたの、次の一歩の参考になれば幸いです。

目次

【自己破産の精神的メリット】借金のプレッシャーからの解放

1. 督促からの完全な解放

弁護士に依頼して受任通知を送ってもらった翌日から、鳴り止まなかった電話や山のように届いていた督促状が、本当にピタッと止まりました。正直、最初は怖いくらい静かでしたね。嵐が過ぎ去った後の、あの静けさ。この「静かな日常」を取り戻せることこそ、自己破産の最初の、そして最大の精神的メリットだったりします。

2. 「死」を考えなくなった日々

正直に言うと、僕は何度も死を考えました。事業の失敗、膨らむ借金、仲間からの視線…すべてから逃げ出したかった。でも、弁護士に相談し「自己破産」という選択肢を知った時、「ああ、法的に逃げ道が用意されてるんだ」と、ふっと肩の力が抜けたんです。これが僕にとっての精神的なセーフティネットになりました。

3. 未来を考える余裕の回復

借金返済に追われている時って、脳のメモリが常に「返済計画」と「資金繰り」で埋め尽くされている状態なんだよね。でも、督促が止まった瞬間、そのメモリが一気に解放されるんです。僕の場合は、その時初めて「これからどう生きようか」と、未来について前向きに考えられるようになりました。

【自己破産の経済的メリット】人生のOSを再インストールするチャンス

4. 全ての返済義務がゼロになる

僕が抱えた2,000万円の借金が、裁判所の免責許可決定で法的に「ゼロ」になった。このインパクトは計り知れないです。もちろん、税金や社会保険料みたいに一部免除されない債務(非免責債権)もあるので注意は必要ですが、人生のOSをクリーンインストールして再起動するような感覚でした。

5. 給料を差し押さえられる恐怖からの解放

返済が滞ると、債権者は給与差押えという手段に出てきます。これ、実は会社にもバレるリスクがめちゃくちゃ高いんです。僕もその一歩手前でしたが、弁護士に依頼したことで差押えを回避できました。自己破産手続きが始まれば、強制執行はできなくなる。これは本当に大きかったですね。

6. 生活再建のためのお金を手元に残せる

「自己破産=全財産没収」って思われがちだけど、それは誤解です。生活に必要な最低限の財産は「自由財産」として手元に残せます。僕の場合も、99万円以下の現金や生活に必要な家具・家電はそのまま残せました。無一文からのスタートじゃない、というのは知っておいてほしいです。

【自己破産の社会的デメリット】信用のデットクロスとキャリアへの影響

7. 信用情報への記録(ブラックリスト)

正直、これが一番キツい。自己破産すると、信用情報機関に約5年〜7年(最長10年と言われることも)事故情報が記録されます。いわゆる「ブラックリスト」入りですね。この期間はクレジットカードも作れないし、ローンも組めません。僕が今やってるサバイバル術は「現金主義&VISAデビットカード」。キャッシュレス決済はこれで大体乗り切れます。

8. 官報への掲載

自己破産すると、政府が発行する「官報」という新聞のようなものに名前と住所が載ります。「これで全世界にバレる!」って思うかもしれないけど、結論、まずバレません。官報を毎日チェックしてる一般人なんて、ほぼいないからです。僕も今まで、官報が原因で身バレしたことは一度もないです。

9. 一部の職業・資格の制限

手続き中、警備員や弁護士・司法書士などの士業、生命保険募集人といった一部の職業には就けなくなります。僕の場合はWebマーケターなので該当しませんでしたが、起業仲間で保険代理店をやってたヤツは、この制限で一時的に仕事ができなくなっていました。免責許可が下りれば、この制限は解除されます。

10. 再就職活動での心理的障壁

法律上、自己破産を理由に会社をクビになることはありません。でも、僕が破産後に再就職活動をした時、履歴書に嘘は書けないけど、正直に話す勇気もない…というすごい「負い目」を感じました。面接で「あなたの最大の挫折経験は?」と聞かれた時は、正直に起業の失敗と向き合った経験を話すことで、逆に誠実さをアピールする戦略に切り替えました。

【自己破産の財産的デメリット】失うモノと守れるモノの境界線

11. 価値ある財産の処分

僕の場合は個人で大きな財産は持ってなかったけど、会社を清算する過程で、必死で作り上げたサービスも、オフィスも、仲間と揃えた備品も、すべて失いました。もし持ち家や車(時価20万円以上)があれば、それらは処分の対象になります。

12. 生命保険などの解約

当時、将来のためにと入っていた積立型の生命保険。これも解約返戻金が20万円を超えていたので、処分の対象になりました。掛け捨てタイプの保険なら問題ないことが多いですが、資産性のある保険は手放すことになる可能性が高いです。

13. 保証人への影響

これが精神的に一番心苦しいデメリットでした。僕の会社の借入で個人保証人になってくれていた友人がいたんです。僕が自己破産しても、彼の保証人としての義務はなくならない。債権者は彼に一括請求しました。本当に申し訳ないことをしたし、人間関係も壊れました。保証人を立てている場合、その人には正直に話して謝るしかありません。

【自己破産の生活的デメリット】日常で直面する地味にキツい制限

14. クレジットカードが使えない不便さ

キャッシュレス時代に現金主義で生きるのは、地味にキツい。例えば、月額課金のサブスクサービスが契約できなかったり、ETCカードが作れなかったり。僕はデビットカードとプリペイドカードを駆使してなんとか乗り切っています。

15. スマホの分割購入ができない

これ、デジタルネイティブ世代には結構痛い。最新のiPhoneとか、一括で15万円以上するじゃないですか。あれが分割で買えないんです。僕は、中古の型落ちモデルを一括で買うか、家族の名義で契約させてもらうといった方法で乗り越えました。

16. 賃貸契約の審査が厳しくなる可能性

破産後に引っ越そうとした時、いくつかの物件で保証会社の審査に落ちました。信販系の保証会社は信用情報を見るので、ほぼ通りません。僕がやった対策は、信用情報を見ない独立系の保証会社を探すか、大家さんと直接交渉できる物件を探すことでした。

17. 手続き中の引越し・旅行の制限

僕のケースは「管財事件」という少し複雑な手続きだったので、破産手続き中は裁判所の許可なく引越しや長期の旅行ができませんでした。この閉塞感はなかなかのストレスでしたね。

【20代・起業家向け】僕が特に伝えたい自己破産の真実

18. メリット:若さ故の再起のしやすさ

20代で自己破産する最大のメリットは、再起までの時間がたっぷりあること。信用情報が回復する30代前半には、もう一度クリーンな状態でスタートが切れます。それに、「20代で起業して2,000万の借金背負って破産した」って、今では僕の自己紹介の「ネタ」であり、強みになっています。

19. デメリット:個人保証の本当の恐ろしさ

僕の2,000万円の借金のほとんどは、会社設立時の融資に対する「個人保証」が原因です。会社が潰れたら、社長個人が借金を肩代わりする。この契約の本当の恐ろしさを、僕は身をもって知りました。これから起業する若い世代には、安易に個人保証だけはするなと、声を大にして言いたいです。

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20. メリット:失敗から学ぶ「お金」と「経営」

正直に言うと、自己破産の手続きは、僕にとって最高の経営学の授業でした。自分のお金の流れ、資産、負債と徹底的に向き合うことで、今までどんだけ杜撰な経営をしていたかを痛感しました。お金の価値、リスク管理、事業計画の重要性。全てをゼロから学び直す機会になりました。

21. デメリット:コミュニティからの孤立感

事業に失敗し、破産したことで、それまで一緒にいた起業仲間や友人との間に距離ができました。SNSでキラキラしている同世代を見ると、強烈な劣等感に苛まれる。この孤立感を乗り越えるために、僕は同じような経験をした人が集まれるオンラインコミュニティを自分で作りました。

よくある質問(FAQ)

Q: 自己破産したら家族にバレますか?

A: 僕の場合は独身だったので直接的な影響は少なかったですが、実家に住んでいると裁判所からの書類が届く可能性はあります。持ち家や車など家族と共有の財産があれば、隠し通すのは難しいです。正直に話す勇気も必要、というのが僕の考えです。

Q: 会社にバレずに自己破産できますか?

A: 結論から言うと、ほとんどの場合はバレません。裁判所や弁護士から会社に連絡が行くことは基本的にないです。ただし、会社から借金をしている場合や、退職金証明書を会社に発行してもらう必要がある場合は、バレる可能性が出てきます。

Q: 奨学金も自己破産でなくなりますか?

A: はい、奨学金も免責の対象になります。ただし、親などが保証人になっているケースがほとんどですよね。その場合、保証人である親に請求が行ってしまうので、絶対に事前に相談してください。僕の友人はこれで親子関係がこじれていました。

Q: ギャンブルや浪費が原因でも自己破産できますか?

A: 法律上は「免責不許可事由」といって、原則NGとされています。でも、裁判官の判断で「今回は反省してるし、チャンスをあげよう」と許可されるケース(裁量免責)も多いのが実情です。弁護士さんにも言われましたが、とにかく正直に話して、反省の態度を示すことがめちゃくちゃ重要です。

Q: 自己破産後の人生は本当に「終わり」じゃないですか?

A: 終わりじゃなく、むしろ「強制ニューゲーム」です。レベル1からの再スタートですが、前のプレイで得た経験値(つまり失敗経験)は引き継げるんです。僕が25歳で自己破産し、28歳の今、Webマーケターとして自立できている。この事実が何よりの答えです。

まとめ

自己破産は、失うものも多いですが、それ以上に「人生をやり直すチャンス」という大きなメリットを与えてくれます。

僕自身、25歳で全てを失いましたが、自己破産という選択をしたからこそ、今こうして新しい道で再起できています。この記事で紹介した21のメリット・デメリットは、僕が血と涙で学んだ全てです。

もしあなたが今、借金で未来が見えないなら、一人で抱え込まないでください。専門家に相談するという最初の一歩が、あなたの「リセットボタン」になります。僕もSNSやコミュニティで待っています。一緒に、次のステージへ進みましょう。

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この記事を書いた人

IT系スタートアップ起業失敗から自己破産を経験した28歳ブロガー。大手IT企業エンジニア出身で、現在はWebマーケターとして再起。同じ境遇の人々に向けて包み隠さない失敗談と具体的な債務整理情報を発信し、再チャレンジを応援している。

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