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個人再生のメリット・デメリット完全解説|向いている人・向いていない人の特徴

「このままでは、子どもの将来も、この家も…」

3年前の私は、400万円の借金を抱え、夜も眠れない日々を過ごしていました。離婚してシングルマザーになり、パート収入と持ち家のローン返済に追われる毎日。クレジットカードのリボ払いは雪だるま式に膨らみ、もう限界だと感じていました。

そんな私が、わらにもすがる思いで選んだのが「個人再生」です。この決断のおかげで、借金は5分の1になり、何より大切な我が家と息子の笑顔を守ることができました。

この記事では、私の実体験を元に、個人再生のリアルなメリット・デメリット、そして「今のあなた」に本当に向いているのかを、一緒に考えていきたいと思います。

目次

【私の体験談】そもそも個人再生ってどんな制度?

専門用語が多くて難しく感じますよね。簡単に言うと「裁判所に認めてもらい、借金を大幅に減額してもらって、原則3年で分割返済していく手続き」のことです。私の場合は、400万円の借金が100万円になりました。自己破産のように財産を全て手放す必要はなく、条件を満たせば家を残せるのが一番の特徴です。

ここでは、私が実際に経験した手続きの流れを追いながら、この制度の全体像を掴んでいきましょう。

まず、個人再生を決意した私は、無料相談を活用して弁護士さんを探しました。正直、弁護士費用の50〜60万円という金額を聞いた時は「そんなお金どこにあるの?」と思いましたが、分割払いができる事務所を見つけて、なんとか依頼することができました。

手続きには半年から1年かかると聞いていましたが、私の場合は約10ヶ月でした。その間、たくさんの書類を集めたり、家計簿をつけたり…。大変でしたが、弁護士さんが一つひとつサポートしてくれたので、何とか乗り切ることができました。

最も印象的だったのは、裁判所での面談です。緊張で手が震えていましたが、「お子さんのために頑張っているんですね」という裁判官の言葉に、涙があふれました。そして、再生計画が認められた時の安堵感は、今でも忘れられません。

個人再生でこう変わる!

メリット1:大切な「我が家」を手放さずに済む

「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という制度のおかげで、私は息子と暮らすこの家を守ることができました。これが個人再生を選んだ最大の理由です。住宅ローンはそのまま払い続ける必要がありますが、他の借金が減ることで、精神的にも経済的にもどれだけ楽になったか。

私の場合、離婚後に元夫名義だった家を私名義に変更していました。息子にとってこの家は、生まれ育った思い出の詰まった場所。転校させたくない、慣れ親しんだ環境を守りたい…その一心でした。

住宅ローン特則を使うための条件は、意外とシンプルです。

  • 自分が住んでいる家であること
  • 住宅ローン以外の抵当権がついていないこと
  • 店舗兼住宅の場合は、居住スペースが2分の1以上であること

弁護士さんに「この条件なら大丈夫ですよ」と言われた時の安心感は、今でも覚えています。同じような境遇のシングルマザーの友人も、この制度のおかげで子どもの生活環境を守ることができたと話していました。

メリット2:督促が止まり、穏やかな日常が戻ってくる

弁護士さんにお願いしたその日から、鳴りやまなかった電話や、ポストに届く督促状がピタッと止まりました。あの時の安堵感は今でも忘れられません。精神的に追い詰められている状況から解放され、ようやく子どものこと、これからの生活のことを前向きに考えられるようになりました。

督促の電話は、本当に心を蝕みます。仕事中でも、子どもと遊んでいる時でも、いつ電話が鳴るかとビクビクしていました。着信音が怖くて、スマホを見るのも嫌になっていたんです。

でも、受任通知を送ってもらったその日から、まるで嵐が過ぎ去ったような静けさが訪れました。久しぶりに息子と笑顔で夕食を囲めた夜、「ママ、最近笑うようになったね」と言われて、どれだけ自分が追い詰められていたかを実感しました。

メリット3:資格制限がなく、仕事を続けられる

自己破産と違い、個人再生には職業の資格制限がほとんどありません。警備員や保険募集人など、特定の職業に就けなくなる心配がないので、仕事を続けながら生活を立て直したい方には大きなメリットです。私もパートを続けながら、手続きを進めることができました。

実は、個人再生を決める前、自己破産も検討していました。でも、当時アパレルショップで働いていた私は、将来的に保険の仕事も視野に入れていたんです。自己破産だと一定期間、保険募集人の資格が制限されると聞いて、個人再生を選ぶ決め手の一つになりました。

シングルマザーにとって、仕事は生命線です。子どもを養うための大切な収入源を失うわけにはいきません。個人再生なら、今の仕事を続けながら、借金問題を解決できる。これは本当に大きなメリットだと思います。

【正直にお話しします】個人再生のデメリットと私の乗り越え方

もちろん、良いことばかりではありません。私が実際に直面した壁と、それをどう乗り越えたかをお話ししますね。

デメリット1:ブラックリストに載り、ローンやカードが作れない

手続き後5〜10年は、いわゆる「ブラックリスト」に載るため、新たなローンを組んだりクレジットカードを作ったりできません。不便に感じることもありましたが、これを機に「現金で暮らす力」が身につきました。家計簿をつけ、予算内でやりくりする習慣ができたのは、今となっては大きな財産です。

最初は本当に不安でした。「もし急な出費があったらどうしよう」「子どもの教育費はどうやって準備しよう」…そんな心配ばかりしていました。

でも、現金生活を始めてみると、意外な発見がありました。カードだと「まだ枠があるから大丈夫」と思って使いすぎていたことに気づいたんです。現金だと、財布の中身が目に見えるので、自然と無駄遣いが減りました。

今では、デビットカードやプリペイドカードを活用しています。ネットショッピングも問題なくできますし、家計管理もむしろ楽になりました。子どもにも「お金の大切さ」を教える良い機会になっています。

デメリット2:官報に名前が載ってしまう

国が発行する「官報」という新聞のようなものに、名前と住所が掲載されます。正直、最初はとても不安でした。でも、一般の人が官報を日常的に見ることはまずありません。私の周りでも、官報が原因で個人再生したことがバレたという話は聞いたことがありません。過度に心配しすぎなくて大丈夫ですよ。

官報掲載について弁護士さんに相談した時、「官報を定期的にチェックしている一般人はほとんどいません」と言われました。実際、私も個人再生するまで官報の存在すら知りませんでした。

掲載されるのは、手続き開始時、書面決議の時、認可決定時の計3回。名前と住所は載りますが、借金の金額や理由などは載りません。もし誰かに知られたとしても、「経済的に大変だったけど、きちんと法的手続きをして解決した」ということ。恥ずかしいことではないと、今は思えるようになりました。

デメリット3:手続きが複雑で時間がかかる

たくさんの書類を集めたり、家計の状況を細かく報告したり…。正直、一人でやるのはとても大変です。でも、ここが専門家である弁護士さんの腕の見せ所。私は何度も相談に乗ってもらい、一つひとつ一緒に乗り越えることができました。費用はかかりますが、それ以上の価値があるサポートでした。

必要な書類の多さには、本当に驚きました。給与明細、源泉徴収票、通帳のコピー、家計簿、財産目録…。仕事と子育てをしながら、これらを揃えるのは大変でした。

でも、弁護士さんが「チェックリスト」を作ってくれて、一つずつ確認しながら進められました。分からないことがあれば、すぐに電話で聞けるのも心強かったです。

特に大変だったのは、3ヶ月分の家計簿作成です。レシートを全て保管して、細かく記録する必要がありました。でも、これがきっかけで、自分の支出パターンが見えてきて、無駄遣いを減らすことができました。今では、この習慣が家計管理に役立っています。

個人再生のメリット・デメリット

【チェックリストで診断】個人再生が向いているのはこんな人

あなたが個人再生に向いているか、一緒にチェックしてみましょう。

✓ 持ち家や車など、手放したくない財産がある人

「この家だけは守りたい」その気持ちが一番強いなら、個人再生は最も有力な選択肢です。

私のように、子どもの生活環境を守りたいシングルマザーには特におすすめです。転校させたくない、慣れ親しんだ地域で子育てを続けたい…そんな思いがあるなら、個人再生を検討する価値があります。

✓ 借金の総額が5,000万円以下で、安定した収入がある人

減額された借金を分割で返済していくため、継続的な収入が見込めることが条件になります。パートやアルバイトでも大丈夫です。

私の場合、アパレルのパート収入は月15万円程度でした。決して多くはありませんが、「安定している」ことが重要だと弁護士さんに言われました。実際、再生計画では月々の返済額を3万円に設定してもらい、無理なく返済を続けています。

✓ 浪費やギャンブルが原因の借金ではない人

私の借金の原因は、離婚後の生活費不足と元夫の隠れ借金でした。確かに、クレジットカードを使いすぎた部分もありましたが、生活のためだったので問題ありませんでした。

ただし、ギャンブルや浪費が原因でも、絶対にダメというわけではありません。正直に専門家に相談することが大切です。

✓ 自己破産による資格制限を受ける職業に就いている人

今の仕事を続けながら再スタートを切りたい方には、個人再生が適しています。

保険外交員、警備員、宅建士など、自己破産だと一時的に仕事ができなくなる職業の方は、個人再生を選ぶメリットが大きいです。シングルマザーは仕事を失うわけにはいきませんから、この点は重要なポイントです。

【立ち止まって考えて】個人再生が向いていないかもしれない人

一方で、こんな方は別の方法が良いかもしれません。正直にお伝えすることも、私の役目だと思っています。

継続して返済できるほどの収入がない人

安定した収入が見込めない場合は、全ての借金の返済義務がなくなる「自己破産」を検討した方が、生活再建への近道になることもあります。

私の友人で、病気で働けなくなってしまった方がいました。彼女の場合は、個人再生ではなく自己破産を選びました。借金がゼロになったことで、治療に専念でき、今は元気に働いています。

大切なのは、自分に合った方法を選ぶこと。見栄やプライドよりも、生活の立て直しを優先することが大切です。

借金の総額が比較的少ない人(100万円未満など)

弁護士費用などを考えると、専門家が金融機関と交渉してくれる「任意整理」の方が、負担が少ない場合があります。

個人再生は最低でも100万円は返済する必要があるため、借金が100万円未満の場合はメリットがありません。また、弁護士費用が50〜60万円かかることを考えると、借金が200万円以下の場合は、任意整理の方が良いケースもあります。

個人再生の適正診断

よくある質問(FAQ)

Q: 家族や会社に内緒で手続きできますか?

A: 基本的に、専門家に依頼すれば家族や会社に知られずに手続きを進めることは可能です。ただし、同居家族の収入証明が必要になるなど、協力をお願いした方がスムーズなケースもあります。私の場合は、正直に話すことでかえって気持ちが楽になり、家族の協力を得られました。会社に連絡がいくことはまずありません。

私は実家の両親には正直に話しました。最初は心配されましたが、「孫のために頑張っているんだね」と理解してもらえました。むしろ、精神的な支えになってくれて、本当に助かりました。

Q: 個人再生にかかる費用はどれくらいですか?

A: 弁護士や司法書士に支払う費用として、総額で50〜80万円ほどかかるのが一般的です。大きな金額に感じるかもしれませんが、多くの事務所では分割払いに対応してくれます。私の借金が300万円も減ったことを考えれば、未来への投資だったと心から思えます。まずは無料相談で確認してみましょう。

私は最初、「そんな大金払えない!」と思いました。でも、分割払いで月2万円ずつ支払うことができ、何より借金が大幅に減ったことで、結果的には大きなプラスになりました。

Q: 手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?

A: 裁判所に申し立ててから再生計画が認められるまで、半年から1年ほどかかることが多いです。私の場合は約10ヶ月でした。長く感じるかもしれませんが、その間は返済が一旦ストップするので、生活を立て直す準備期間と捉えることができますよ。

手続き期間中は、返済がストップすることで、少し余裕ができました。その間に、副業を始めたり、資格の勉強をしたり、将来に向けての準備ができました。焦らず、この期間を有効に使うことが大切です。

Q: 子どもの進学や就職に影響はありますか?

A: 全くありません。親が個人再生したことが、お子さんの進学や就職、結婚などに影響することは一切ないと法律で決まっています。むしろ、借金問題を解決して安定した家庭環境を整えることの方が、お子さんの将来にとってずっと大切だと私は思います。

これは私も一番心配していたことでした。でも、弁護士さんに「お子さんの人生に影響することは絶対にありません」と断言してもらえて、安心しました。今、息子は元気に学校に通い、友達と楽しく過ごしています。

Q: 個人再生後の生活で、一番変わったことは何ですか?

A: 「お金の不安」から解放されたことです。毎月の返済額が明確になり、将来の見通しが立つようになりました。節約は続けていますが、追い詰められるような気持ちはなく、「息子のために貯金する」という前向きな目標を持てるようになりました。

以前は、給料日前になると「今月も乗り切れるか」という不安でいっぱいでした。でも今は、計画的に生活できています。月3万円の返済は決して楽ではありませんが、以前の返済額に比べれば、ずっと現実的です。

まとめ

かつての私のように、借金の悩みで夜も眠れない日々を過ごしているあなたへ。個人再生は、決して人生の終わりではありません。むしろ、大切なものを守りながら、もう一度人生をやり直すための「再スタートの切符」です。

もちろん、不安やデメリットもあります。でも、正しい知識を身につけ、信頼できる専門家と一緒に一歩を踏み出せば、必ず道は開けます。

私自身、個人再生を経験して学んだことがたくさんあります。お金の管理の大切さ、家族の支えのありがたさ、そして何より、困難を乗り越える自分の強さ。今では、同じ境遇のシングルマザーの相談に乗ったり、ハンドメイド作家として副業も始めました。

あの時、勇気を出して弁護士さんに相談して本当に良かった。息子と一緒に、慣れ親しんだこの家で、笑顔で暮らせる今があるのは、個人再生という選択をしたからです。

この記事を読んで、少しでもあなたの心が軽くなり、「私にもできるかもしれない」と思っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

あなたは、一人じゃないですよ。

同じ道を歩んだ私が、心から応援しています。一緒に、新しい一歩を踏み出しましょう。

【今日からできる最初の一歩】

  1. 無料相談を予約する
    →多くの法律事務所で無料相談を実施しています。まずは話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなります。
  2. 家計簿をつけ始める
    →スマホアプリでも、ノートでも構いません。収支を把握することから始めましょう。
  3. 支援制度を調べる
    →児童扶養手当(月額最大45,500円)や住宅手当(自治体により5,000〜15,000円)など、シングルマザーが使える制度を確認しましょう。
  4. 信頼できる人に相談する
    →家族でも友人でも、一人で抱え込まないことが大切です。
  5. 小さな希望を持つ
    →「子どもと笑顔で暮らす未来」を想像してみてください。それは必ず実現できます。

あなたの勇気ある一歩を、心から応援しています。

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この記事を書いた人

シングルマザーのフリーランスライター。大手アパレル勤務から離婚を機に借金問題に直面し、個人再生で債務整理を経験。住宅を残しながら生活再建に成功した実体験をもとに、子育て世帯の家計管理や金銭教育に関する記事を執筆している。

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