「事業の売上はそこそこあるのに、なぜか手元に金が残らない…気づけば借金は雪だるま式に膨れ上がり、複数のビジネスローンとカードのリボ払いで完全に資金繰りがデッドロック」
これ、何を隠そう数年前の僕自身の話です。起業に失敗し、個人保証した借入金で2,000万円の借金を背負った僕は、まさに絶望の淵にいました。
結論から言うと、個人事業主やフリーランスでも、事業を続けながら借金を整理する方法はあります。 正直、知らないと損する情報ばかりです。
この記事では、僕自身の自己破産の経験も踏まえ、事業と生活を両立させるための債務整理のリアルな知識と、あなたが今すぐ取るべきアクションプランを、包み隠さずお伝えします。
もう一人で抱え込むのはやめにしましょう。

なぜ個人事業主は借金地獄に陥りやすいのか?【僕の失敗談】
フリーランスや個人事業主って、自由な働き方でキラキラして見えるかもしれないけど、その裏側には特有の落とし穴があるんですよね。僕自身、その罠にどっぷりハマってしまいました。
事業と個人の財布がごちゃ混ぜになる「どんぶり勘定」の罠
僕の失敗の原点は、間違いなくこれでした。事業用の口座とプライベートの口座を分けず、経費の支払いも生活費も全部同じクレジットカードで決済。正直に言うと、当時は「自分がいくら使ってるのか」すら正確に把握してなかったんです。
家計簿アプリや会計ソフトなんて面倒で使ってなかったし、「まあ、なんとかなるだろう」と。この「どんぶり勘定」が、気づかぬうちに資金繰りを悪化させ、安易なカードローンに手を出すきっかけになったというわけです。
「売上はあるのにキャッシュがない」黒字倒産の恐怖
これも個人事業主あるあるですよね。請求書ベースでは利益が出ているのに、手元には現金がない状態。
僕も「来月にはデカい案件の入金があるから大丈夫」と高を括っていたら、あっという間にショートしました。売掛金の入金が2ヶ月後なのに、経費や税金の支払いは翌月。このタイムラグを埋めるために、また別のカードでキャッシング…という負のループ。これが一番怖いんです。
孤独が判断を鈍らせる…誰にも相談できないフリーランスの闇
会社員と違って、フリーランスは基本的に一人。事業がうまくいかない時、資金繰りが厳しい時、その悩みを相談できる相手がいない。僕もプライドが邪魔して、友人や家族に「金がない」なんて言えませんでした。
一人で抱え込んだ結果、冷静な判断ができなくなり、「今この場をしのげれば…」と高金利のビジネスローンに手を出してしまった。今思えば、あの時誰かに相談できていれば、自己破産までいかずに済んだかもしれない。
だからこそ、同じ経験を持つ仲間が集まるコミュニティの力って、本当に大事だったりします。
【結論ファースト】事業を続けたいなら、どの債務整理を選ぶべきか?
借金で首が回らなくなった時、僕たち個人事業主が取れる選択肢は、主に3つあります。どれを選ぶかで、事業を続けられるかどうかが大きく変わってきます。
債務整理3つの選択肢:早わかりマトリクス
まずは全体像を掴んでみましょう。
手続きの種類 | 事業への影響度 | 借金の減額幅 | 手続きの難易度 | 取引先への影響 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|---|
任意整理 | 小 | 小(将来利息カット) | 低 | 低い(交渉相手を選べる) | 取引先にバレずに、特定の借金だけ整理したい人 |
個人再生 | 中 | 大(元本を大幅圧縮) | 高 | 低い(対象から外せる) | 事業資産を守りながら、借金を大幅に減らしたい人 |
自己破産 | 大 | 最大(原則ゼロになる) | 中 | 高い(官報に載る) | 事業を畳んででも、人生をリセットしたい人 |
選択肢1:任意整理|取引先にバレずに、特定の借金だけ整理する
これは裁判所を通さずに、弁護士がカード会社や消費者金融と直接交渉する方法です。最大のメリットは、交渉する相手を選べること。
例えば、事業で使っているリース会社や、仕入れ先への買掛金はそのまま支払い続けて、プライベートで膨らんだカードローンだけを整理する、なんて柔軟な対応が可能です。だから、取引先にバレるリスクはほぼゼロ。
ただし、減額されるのは基本的に将来の利息だけで、元金は分割で返していく必要があります。

選択肢2:個人再生|事業資産を守りながら、借金を大幅カットする最強のピボット
僕がもし自己破産前にこの制度をちゃんと知っていたら、選んでいたかもしれない選択肢です。
個人再生は、裁判所に認めてもらうことで、借金を1/5〜1/10程度に大幅に圧縮できる手続き。しかも、事業で使うPCや機材、在庫、車といった資産を手元に残したまま事業を続けられるんです。これって、個人事業主にとっては最強のメリットですよね。

選択肢3:自己破産|すべてをリセットして再起を誓う最終手段
そして、僕が選んだのがこの自己破産です。原則として事業用の資産はすべて処分され、事業継続は難しくなります。でも、税金などを除くすべての借金の支払い義務がゼロになる。
正直、すべてを失う恐怖はありました。でも、毎日鳴り響く督促の電話や、返済のことばかり考える日々から解放された時の安堵感は、言葉にできませんでした。僕にとって、破産は終わりじゃなく、人生のリセットボタンだったんです。

【徹底解剖】各手続きのリアルと事業への影響
じゃあ、それぞれの選択肢のリアルなメリット・デメリットを、僕の経験や友人の話も交えてもっと深く掘り下げてみます。
任意整理のリアル:交渉相手を選べるが、減額幅は小さい
メリット
手続きがシンプルで、弁護士費用も比較的安い(1社あたり5万円〜)。保証人がいる借金や、迷惑をかけたくない取引先を交渉の対象から外せるのが最大の強み。
デメリット
あくまで将来利息のカットがメインなので、元金は減りません。借金額が大きいと、分割返済の負担が残ります。
僕の友人のWebデザイナーは、この方法で親に保証人になってもらった日本政策金融公庫からの融資はそのままに、消費者金融3社からの借金だけ整理してました。事業への影響を最小限に抑えられた成功例ですね。
個人再生のリアル:事業継続の可能性大!ただし手続きは複雑
メリット
自宅を残せる「住宅ローン特則」という制度もあります。事業用の資産を守りながら、借金元本を大幅に減らせるのが本当に大きい。
デメリット
手続きが複雑で、弁護士費用も50万円以上と高め。そして、継続的な返済能力を証明する必要があります。ここで「確定申告をちゃんとしてない」と、収入証明で詰む可能性大です。マジで注意してください。
自己破産のリアル:事業資産は没収。でも人生は再スタートできる
メリット
何より、借金がゼロになる精神的な解放感は計り知れません。人生をゼロからやり直すきっかけになります。
デメリット
事業用の資産は、価値のあるものは基本的にすべて没収されます。僕の場合、愛用していたMacBook Proや事業で使っていた車も差し押さえ対象になりました。あれは正直キツかったですね…。
データはバックアップしてあったけど、商売道具を失う喪失感は半端なかったです。
弁護士に相談する前に!今すぐ自分でできることリスト
「もうダメだ…」と絶望する前に、ちょっと待って。弁護士に駆け込む前に、あなた自身でできることがあります。これをやるだけで、その後の相談がめちゃくちゃスムーズに進みます。
STEP1:借金の全容を把握する【現状分析フェーズ】
まずは敵を知ること。これが全ての始まりです。
どこから、いくら借りているのか、金利は何%か、すべてリストアップしてください。ExcelやGoogleスプレッドシートでOK。
- 借入先(会社名)
- 現在の借入残高
- 金利(年率)
- 毎月の返済額
これをやるだけで、自分がどれだけヤバい状況か客観的に見えてきます。
STEP2:資産と経費を洗い出す【可視化フェーズ】
次に、自分の資産と毎月の支出を洗い出します。
- 資産: 現金・預金、事業用のPCや機材、車、在庫、売掛金など
- 経費: 家賃、水道光熱費、通信費、仕入れ代、外注費など
僕が今、個人事業主の友人に勧めているのは「マネーフォワード ME」みたいな家計簿アプリ。銀行口座やクレカを連携させれば自動で収支を可視化してくれるので、どんぶり勘定から一瞬で抜け出せます。
僕が破産前にこれを知っていれば…と何度思ったことか。
STEP3:無料相談を使い倒す【行動フェーズ】
STEP1と2のリストができたら、いよいよ行動です。弁護士事務所の無料相談を最低でも2〜3ヶ所は利用してください。
弁護士との相性って、めちゃくちゃ大事。スタートアップがVC(ベンチャーキャピタル)を選ぶのと同じです。あなたの事業内容を理解してくれて、親身になってくれる人を選びましょう。
最近はオンラインで完結する相談サービスも多いので、地方の人でも気軽に利用できます。
よくある質問(FAQ)
ここでは、個人事業主からよく聞かれる質問に、僕の経験も踏まえて答えていきます。
Q: 取引先に債務整理したことがバレませんか?
A: 任意整理や個人再生であれば、取引先を交渉の対象から外すことでバレる可能性は低いです。自己破産の場合は、国が発行する「官報」という新聞のようなものに名前と住所が載ります。
ただ、正直に言って、一般の人が官報を日常的にチェックすることはまずないので、そこからバレるケースは稀だと思います。
Q: 事業で使っているクレジットカードや銀行口座はどうなりますか?
A: これは超重要。債務整理の対象にした金融機関のカードは使えなくなり、その銀行の口座は一時的に凍結されます。なので、報酬の振込先口座は、整理対象としない銀行の口座に事前に変更しておく必要があります。これをやらないと、入金された報酬が引き出せなくなる可能性があるので注意してください。
Q: 屋号で契約しているリース品(PCや車など)はどうなりますか?
A: 自己破産の場合、リース契約は基本的に解除されて、モノは引き上げられます。個人再生や任意整理の場合は、リース会社を交渉の対象から外して、リース料を支払い続けることで契約を維持できる可能性が高いです。まずは弁護士に相談ですね。
Q: 売掛金(未回収の報酬)はどうなりますか?
A: 自己破産の場合、売掛金もあなたの「財産」と見なされ、破産管財人(裁判所が選ぶ弁護士)が回収して、債権者に配当します。個人再生の場合は、財産として評価はされますが、自分で回収して事業資金や返済に充てることが可能です。この違いはデカいですよね。
Q: 確定申告をしていなくても債務整理できますか?
A: 任意整理なら可能ですが、個人再生や自己破産では、過去の収入を示すために確定申告書がめちゃくちゃ重要な書類になります。もしやってなくても、「もうダメだ」と諦めないで。今からでも過去に遡って申告する方法はあるので、まずは正直に弁護士に相談しましょう。隠すのが一番ダメ。
Q: 相談する弁護士はどうやって選べばいいですか?
A: 「個人事業主」や「フリーランス」の債務整理の解決実績が豊富な弁護士を選びましょう。Webサイトで実績をチェックするのが手っ取り早いです。そして、複数の事務所の無料相談を利用して、一番「この人なら任せられる」と感じた人に依頼するのがベストです。
まとめ
個人事業主やフリーランスの債務整理は、単に借金をなくすだけでなく、「事業をどう立て直すか」という経営的な視点が不可欠です。
僕自身、自己破産というどん底を経験しましたが、それは決して人生の終わりではありませんでした。むしろ、お金や経営について真剣に学び、Webマーケターとして新しいキャリアを築くための重要な「ピボット(方向転換)」になったと断言できます。
この記事で紹介したように、事業を続けながら再起を図る道は複数あります。一番ダメなのは、一人で抱え込み、行動しないこと。
最後に、今すぐできるアクションプランをもう一度。
- 借金と資産のリストを作って「現状を可視化」する
- マネーフォワードなどのアプリで「お金の流れを見える化」する
- リストを持って「弁護士の無料相談」をハシゴする
その小さな一歩が、あなたの未来を大きく変えるはずです。